この20年ほど、自然環境に対するシカの食害が大きな問題となっている。
シカによる影響は様々なものがあるのだが、今回京都大学の中川光特定助教の研究によって示されたのは、
シカの増減が川の魚の個体数に影響を及ぼすという事実である。
シカの増加は日本だけではなく世界的に環境問題となっているのだが、特に日本で問題となるのは本州以南のニホンジカ、
そして北海道のエゾシカである。
シカは貪欲な食性を持つ生き物であり、林床に生える植物を食べ尽くし、地面をむき出しにしてしまうことが知られる。
従って、その影響は単に植物のみでなくそこに暮らす昆虫や小動物にも大きく及ぶ。
しかし一方で、シカの個体数の増加が、森林と接する河川やそこに住む生き物に与える影響については、これまで目立った研究がなかった。
今回の研究は、シカが大規模に繁殖している京都府北部の芦生研究林における、10年以上の観察データに基づいた、
シカが河川の生態系に及ぼす影響についてのリサーチである。
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https://www.zaikei.co.jp/article/20190609/514792.html